昨今、従業員のリスキリングのニーズもいっそう高まっており、新しい研修の企画、既存の研修コンテンツの整理などに頭を悩ませている育成担当者様も増えています。
このような背景のもと、組織に根付いた研修プログラムの根本からの見直しは困難な作業であるかもしれませんが、実は本当に効果的な研修を再設計する絶好のチャンスでもあります。
今回は、弊社が提唱する「効果的な研修設計のための7つのステップ」の中から、【STEP3 - 研修/現場のバランスを取る】に続いて【STEP4 - 実施条件を確認する】についてご紹介いたします。
研修担当者の皆様は、研修を設計する際にどのような条件を気にされているでしょうか?
私たちが日々多くの研修担当の方々とお話していると、よく以下のような研修設計上の条件が出てくるように感じています。
・予算
・対象者が研修に参加できる時間や期間
・実施形態(オンラインか対面か/集合型かプライベート型か)
どれも外すことのできない重要な要素ですが、どちらかと言えば、「制約条件」のようなマイナスなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
「本当は○○も導入したいのだけど、予算が少なくて…」
「受講者を何日も研修で拘束することができなくて…」
このような声は頻繁に耳にします。
しかし、このようなマイナスな側面を研修設計の起点にしてしまうと、研修の効果そのものに悪影響を及ぼす可能性があります。
幸いにも、コロナ禍でオンラインでの研修が主流となった今では、以前に比べ実施形態には様々な選択肢が生まれています。そして、それぞれの形態にはそれぞれの利点があります。それらを組み合わせることができれば、制約条件をクリアしながら、効果的な研修を設計することが可能です。
▼利点例
形態 | 利点 |
オンライン |
・時間や場所を選ばない |
対面 |
・特別感があり、参加者のエンゲージメントが高まる |
集合型 |
・他の参加者から刺激を受けたり、学んだりすることができる |
1on1型 |
・受講者のアウトプットの機会を多く作ることができる |
実施形態を変えることによって研修の効果を向上させた事例を1つご紹介します。
ある大手日系企業では、受講者の利便性を考慮し、今まで全て対面で実施していたマネージャー研修(昇格者研修)をオンラインを中心に再設計することになりました。
元々は2日間連続、1日7時間の対面研修でしたが、
「受講者全員を全国から2日間も集めることができない」
「座学が多くて対面で実施する意味はあるのか」
といった、どちらかというと社内からのネガティブな声が起点となった取り組みでした。
しかし、この研修担当者様は機転を利かせ、以下のように研修形態を変更しました。
対面2日間×7時間だった研修を、対面7時間×1日、オンライン集合3時間×2日の3つのパートに分解しました。
初日はキックオフとし、全員に集合してもらうことで、特別感を演出しエンゲージメントを高める、その場でしかできない深いディスカッションを行う、といったことを目的に対面7時間にしました。
従来は2日間で詰め込んで行っていた研修ですが、研修で学んだ内容を職場で実践するアクションラーニングを組み込んだ3カ月研修に変更しました。
研修で学んだことを職場で1ヵ月間実践する、またその間は部下マネジメントに関する課題図書を与えました。
「STEP3:研修/現場のバランスを取る」でも記載しましたが、職場は「研修の学びを実務で使う機会、上司・同僚・顧客からのフィードバックを得る場」であり、研修にアクションラーニングの時間を設けることはとても大切なことです。
この2つの変化の結果、受講者への利便性は向上し、かつ期間を長くしてアクションラーニングの要素を加えたことで、研修を通しての成長実感を高めることができ、受講者の満足度も再設計前よりも高めることができました。
このように形態を工夫することで、制約条件をクリアし、かつ研修の効果を高めることも可能なのです。
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今後のビジネス環境において、人材マネジメントの重要性は増しています。企業は、変化する事業構造に対応し、人材育成・研修の重要性を理解し、戦略的な人材マネジメントを実践することが不可欠です。
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